再生可能エネルギー部門:山田 哲也

エネルギー業界に未経験から挑戦。「事業者側」でプロジェクトを牽引。

現在、洋上風力プロジェクトを牽引している山田さん。電機メーカーから中部電力へと転職したきっかけは、1通のDMからでした。「なぜ、未経験からの挑戦を決意したのか」「転職し活かせている経験や、戸惑った点はあったか」「どんな瞬間にやりがいを感じているか」などを聞いてみました。

山田 哲也 / 2021年キャリア入社
再エネCP プロジェクト推進部 洋上風力グループ 主任(インタビュー当時)

学生時代は機械工学専攻で熱流体を学び、卒業後は電機メーカーに就職。自動販売機やショーケースなどに搭載される冷凍機の研究開発や、コンビニエンスストア建屋全体の気流調整による店舗全体省エネシステムの開発に従事。2021年に中部電力へ入社後は、洋上風力発電プロジェクトを牽引している。

転職理由

メーカーからの転職。偶然の出会いからエネルギー業界へ挑戦することに。

――― なぜ、転職しようと考えられたのですか?

前職では、開発する設備の種類が多かったこともあり、一人一案件の体制でした。全員がいわば、個人事業主のようなイメージですね。そんな環境で働く中で、「もっと他の人の考えや意見を聞きたい」「より俯瞰しながらプロジェクト全体を見たい」「新しい技術に向き合いたい」など、いろいろと希望が湧いてきたんです。自分自身がさらに成長できる仕事や環境を求めて、転職活動をスタートさせました。

――― もともと電力会社への転職を希望していたのでしょうか?

正直にいうと、初めは転職先として考えておらず偶然の出会いでした。学生時代から、社会全体に影響を与えるエネルギー業界に興味はありましたが、まったく違う分野で働いてきたこともあり、そもそも転職先としては考えていませんでした。そんな時に、登録していた転職サイトに中部電力からDMが届いたんです。最初はなぜ私なのだろうとも思いましたが、そのDMをきっかけに興味を持つようになりました。

――― 中部電力に転職を決めた理由は?

私に期待されていることが、「洋上風力分野」だったことが大きかったですね。エネルギー業界は未経験でしたが、前職でも流体関連の業務を担当し大学院時代も「風」にまつわる研究をしていましたので、選考を通じて自分の力を試してみたいという想いが強くなったんです。「興味があったエネルギー業界」「多くの方が参加するチーム体制」「自分がもっている流体の知見」など、自分の希望が叶えられる舞台だと感じ、中部電力への転職を決意しました。

現在の仕事内容

プロジェクト全体を俯瞰しながら技術、商務、法務を考慮し、風車の機種選定などを担当。

――― 現在の仕事内容を教えてください。

洋上風力の中でも「着床式洋上風力」に関する業務に取り組んでいます。私は「風車チーム」に所属し、風車の配置検討や構造設計検討、風車の競争力比較などを担当しています。国が着床式洋上風力の促進区域や有望な区域を提示しているため、社内外のプロフェッショナルとチームを組んで、様々な区域の案件に取り組んでいます。

――― 仕事のやりがいはどんな点でしょうか?

前職はメーカー側で、顧客の要望や指示に沿って開発を行っていましたが、現在は仕様の決定や要件定義を行い、風車メーカーなどに依頼する立場です。決断する責任は大きいですが、事業者側に立ちプロジェクトを牽引できることに大きなやりがいを感じています。

――― 仕事で戸惑った点はありましたか?

評価基準の膨大さでしょうか。入社してすぐに風車メーカーの競争力比較を担当したのですが、技術面だけでなく、商務面やプロジェクト全体の工程への影響、経済波及効果など、これまでに経験したことのない項目での分析が求められました。多角的な評価が必要で、「こんなに検討項目があるのか」と、最初は驚きました。

――― 一つの決断の影響力も大きそうですね。

そうですね。例えば、風車の配置設計はさまざまな制約を考慮して風車配置を決めるのですが、「基礎構造物チーム」「保守点検チーム」「地域対応チーム」など、他のチームにも影響が及びます。また、プロジェクトには社内外の関係者やチームメンバーと協業体制で臨んでいるため、一つの決断をするにも「他のチームへの影響」「費用対効果のメリット、デメリット」などを説明する必要があり、日々、影響力の大きさを感じています。

前職時代との比較

パイオニアとしての誇りを持ち、日本の洋上風力を切り拓く。

――― 前職での経験は活かせていますか?

前職では今とは異なり研究開発に携わっていたのですが、その経験は活かせています。プロジェクトのマイルストーンを設定し、「目標、ステップ、スケジュール」などをマネジメントする力は、向き合う対象が変わっても役に立っています。 

――― 洋上風力の知識はどう身につけていますか?

洋上風力自体が黎明期で、国内でも事業がスタートしたばかりです。以前から洋上風力プロジェクトに参加していた社内の先輩方に相談したり、陸上風力など洋上風力以外の分野を参考にすることもあります。この分野はまだ事例が少ないため、あらゆる情報にアンテナをはり、知識を身につけるようにしています。

――― 前職と対象物が変わったことでどんな違いがありましたか?

製品サイクルの違いは大きいですね。前職では製品が2~3年周期で変わっていきましたが、洋上風力は20~30年稼働するため、長期的な視点が求められます。将来、風車が実際に設置され、地域や人々の生活に貢献し続けることを想像しながら、日々の業務を行っています。

――― 働き方やプライベートではどんな変化がありましたか?

転職に伴い、前職と比べて通勤時間が長くなることや、業務繁忙度が上がることによって、家族と過ごせる時間が減ってしまうのではないかと不安でした。実際には、私の場合、週2回ほどを在宅勤務にして、効率的に働いています。業務の状況により残業が発生することもありますが、しっかり休みも取れるため、家族と過ごす時間は前職よりも増えたくらいですね。

――― 最後に、今後の目標について教えてください。

まずは現在担当しているプロジェクトを最後までやりきることが目標です。さまざまなフェーズに関わりながら、周りの同僚や外部のパートナー企業と協業する中で経験を積み、いずれはプロジェクトの先頭に立って、日本の洋上風力を切り拓く存在を目指していきたいですね。

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